SPECIAL FEATURE特別取材
「iichiko 彩 -IRODORI-
カクテルコンペティション」
[vol.06] -
7名のファイナリストはこちら!
①金城流弥さん ②釜田椋安さん ③木村豪朗さん
new #Special Feature
文:DRINK PLANET編集部
7名のファイナリストの特別インタビュー。
今回はそれぞれのオリジナルカクテルとともに、金城流弥さん、釜田椋安さん、木村豪朗さんをご紹介します。

①金城流弥さん(One by one coffee/東京都)
東京・恵比寿にあるスペシャリティコーヒー専門店「One by one coffee」でバリスタとして活躍する金城さんは、トップオブトップのクオリティを持つシングルオリジンコーヒーを取り扱ってきました。
そのバックグラウンドを活かして、今回はコーヒーの特性にフォーカスしたシングルオリジンコーヒーカクテルを作成。
と同時に、日本が誇る発酵食品である麹、「iichiko彩天」の他のスピリッツにはない甘味と旨味、奥深い味わいをより活かすために、日本初の植物性ミルクである米糀ミルクとの掛け合わせたとのことです。
カクテル名は「和ラテ HAKKO LATTE」!
「iichiko彩天」をベースに、米糀ミルク、糀蜜、シングルオリジンエスプレッソをシェイクで仕上げています。

「和ラテ HAKKO LATTE」
「『iichiko彩天』はもちろん、日本の発酵技術を駆使した材料を使用し、日本から発信する発酵にフォーカスした和のラテです。とてもシンプルなレシピですが、使用するコーヒーによって味わいが色鮮やかに変わることがポイントです」と金城さん。
例えば、浅煎りのコーヒーでは、「iichiko彩天」の厚みのある甘さが強調され、カクテル全体においてのバランスがよくなるそう。
あるいは、中深煎りコーヒーの場合は、焙煎によって生まれるコクや甘さが「iichiko彩天」のふくよかな香りをより引き立たせてくれるんだとか。
「コーヒーの個性により、味わいが彩り豊かに移り変わります」
ちなみに、甘さには砂糖を使用せず、こちらも麹由来の糀蜜を使い、奥深い甘味と旨味を引き出しています。

また「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」では、サスティナビリティへの視点も欠かせません。
金城さんはバリスタとしての視点から、カフェラテなどを作成する際にどうしても余ってしまうエスプレッソショットとコーヒーの粉を、今回のカクテルに昇華させました。
コーヒー業界のフードロス問題の課題にも取り組んだ一杯です。
最後に、金城さんにジャパンファイナルで注目してほしいポイントを伺いました。
「実はコンペティションへの参加は初めて。バリスタ視点でのアプローチと、緊張している私をお楽しみください(笑)」
★「和ラテ HAKKO LATTE」のイメージ動画はこちらのInstagramへ!

②釜田椋安さん(パーク ハイアット 京都/京都府)
パーク ハイアット 京都 バー「琥珀」に在籍している釜田椋安さんは、バーテンダー歴1年目ながら、見事ジャパンファイナルに進出しました。
(若い方、キャリアの浅い方、異業種の方のチャレンジが、バー業界の底上げに繋がるはず!)
日々、海外からのゲストをもてなす環境に身を置いているからこそ、焼酎という日本のスピリッツを世界に広めたいと思い、「iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション」に挑戦したとのことです。
カクテル名は「香天」。
「iichiko 彩天」を主役に、自家製カカオリキュール、大分県産どんこ椎茸出汁、自家製ジンジャーシロップをシェイクし、最後に塩麹フォームをフロートした一杯です。

「香天」
釜田さんは、創作意図をこんな風に説明してくれました。
「香天は『iichiko 彩天』が持つ和の香りと美しさを世界に届けるカクテルです。澄んだ麦の香りと繊細なボディを持つ『iichiko 彩天』をベースに、日本の伝統的な乾物文化を取り入れた、新しい和の表現に挑戦しました」
「大分県の特産品であるどんこ椎茸の出汁で旨味と香りの土台を築き、スパイスをインフューズした自家製カカオリキュールで香ばしさと奥行きを加えました。最後に塩麹フォームをフロートし、全体を優しく包み込む構成に仕上げています」
「iichiko 彩天」の第一印象は「派手さではなく、静かな主張を持つその味わいに、日本の美意識を感じた」とのこと。
「iichiko 彩天」の持つ香りの“奥行き”を広げるために、麹由来の甘味、椎茸出汁の旨味、塩麹フォームの優しい塩味の三層を重ね合わせ、彩天の繊細な香りを立体的に感じられる構成にしています。

ガーニッシュの椎茸チップスは、出汁をとる際に使用した大分県産どんこ椎茸をオーブンでローストし再利用したもの。
サスティナビリティの観点もきちんと踏まえています。
最後に、ジャパンファイナルで注目してほしいポイントを伺いました。
「香りのレイヤーとテクスチャーの移り変わりです。最初に感じる麦と椎茸の香り、次第に広がるカカオとスパイスの余韻、そして塩麹フォームが残す柔らかな後味。日本の素材と文化を通じて“香りを彩りに変える”というテーマを、味と香りの両面で表現しています」

③木村豪朗さん(Dining bar JIMHALL/石川県)
石川県金沢市の「Dining bar JIMHALL」で店長を務める木村豪朗(たけあき)さんは、本草薬膳学院認定・薬膳コーディネーターの資格も有しています。
材料のひとつとして使用した屠蘇散は、お正月に無病長寿を願って飲むお屠蘇をつくる際に日本酒やみりんにインフューズする、数種類の生薬(漢方薬)を調合した粉末のこと。
主に、山椒、防風(せり科の多年生植物)、桔梗、桂皮、陳皮などを使用するそうです。
今回のカクテル「NURTURE(ナーチュア)」では、「iichiko 彩天」、自家製屠蘇散こぼれ梅甘酒、自家製みりんリダクションをシェイクで仕上げています。

「NURTURE(ナーチュア)」
カクテル名の「NURTURE」とは、英語で「育む」という意味。
その創作意図を、木村さんはこんな風に説明してくれました。
「お酒づくりも、発酵も、そして人生も。すべては時間をかけてゆっくりと育ててゆくものです」
「合理性が求められる時代だからこそ、手間をかけることの“豊かさ”を信じたい。そんな想いから、このカクテルを作りました」
しっかりとした骨格と豊かな旨味がある「iichiko 彩天」に合わせたのは、日本古来の発酵素材であるみりん。
さらには、その副産物であるこぼれ梅(みりん粕のこと)と屠蘇散で仕上げた自家製甘酒を使用しました。

みりんを絞った後に残るこぼれ梅は、通常であれば捨てられてしまう副産物ですが、それをカクテルに活かすことで食品ロス削減に繋げています。
またこぼれ梅を地元・金沢の酒蔵から仕入れることで地産地消の視点も取り入れています。
実は「NURTURE」の発想の源は、米焼酎とみりんを同量程度で割った、日本最古のカクテルとされる「柳蔭(やなぎかげ)」なんだとか。
「柳蔭」が時の流れとともに育まれた一杯が「NURTURE」なのかもしれません。
最後に木村さんは、こんな風にコメントしてくれました。
「時間をかけて、ゆっくりと育まれるものほど、きっと、人の心をあたためてくれる。そんな思いを、この一杯に込めています」
★「NURTURE」のイメージ動画はこちらのInstagramへ!
他のファイナリストはVol.7、Vol.8で紹介しています。
★iichiko 彩 -IRODORI- カクテルコンペティション公式HP
https://iichikosaiten-competition.jp





